最近、終活という言葉をお聞きになる方も多いのではないでしょうか。
終活とは、人生の終わりを見据えつつ、ご自身とのこされるご家族ために行う活動です。
ひとことに終活といっても、その人が行う方法やスタイルは様々です。
どこから手をつけてよいか分からないというお声もごもっともです。
「どこから手をつけてよいか分からない」
そんなお悩みをもつ方のために、オススメの終活があります。
それは財産目録という書類を作っておくことです。
財産目録とは、一定の時点で所持している財産を一覧にしたものです。

どうして財産目録なんて作らないといけないの?
目録なんて作るほど財産もってないんだけど。
Rさんはご自身の財産が少ないことを理由に、財産目録は作成しなくてよいと考えておられます。
それでは、財産が少なければ財産目録を作らなくてもよいのでしょうか。
答えは「いいえ」です。
財産目録を作ることの理由は、相続人のお手間を減らすことにあります。
そのため、財産が少なければ財産目録を作らなくてよいという理由にはなりません。
お年を召された方、特におひとりでお住まいの方は、ご自身がどんな財産をどのぐらい持っているのかをあまり気にされない方がおられます。
ご自身が亡くなられた後、大切な財産、その分配を、ご家族で話し合って決めてもらえばよいという具体的に考えていない方もおられます。
誰かがお亡くなりになるということは、のこされるご家族にとってショッキングな出来事です。
そんなショッキングな出来事にもかかわらず、のこされたご家族は様々な手続きをこなさなければなりません。
相続にまつわる一連の手続きは、あまり経験したことのない方がほとんどのはずです。
相続にまつわる手続きのひとつに、相続財産調査があります。
相続財産調査とは、故人の全ての財産(プラスの資産のみならずマイナスの資産も)を調べ、それらの財産を適正に評価・査定することです。
この相続財産調査は、一般的にご遺族が行うことが多いようです。
しかし、この相続財産調査はお手間のかかるものとして、大抵は歓迎されません。
なぜお手間がかかるのかと申すと、故人の相続財産調査の際に故人の財産が一覧としてまとまっていたら、どうでしょうか。
相続財産調査にかかるお手間やお時間が大幅に減る、と思いませんか。
この記事では、相続人にかかるおそれのあるお手間を大幅に減らすひとつの方法として、財産目録の作成についてご紹介しています。
財産目録の作成が、ご遺族の手間と労力を軽くする

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
相続財産調査とは
ひとが亡くなれば、相続が開始されます。
相続が開始されれば、相続人は個人の財産がどれだけあるかを調査(=相続財産調査)しなければなりません。
相続財産調査は、財産の多かろうと少なかろうと、財産目録等の資料があろうとなかろうと行われます。
この相続財産調査の際、故人によって財産目録が作成されていれば、相続財産調査はスムーズに進むことはまちがいありません。
どうしてかと申せば、相続財産調査はとても手間のかかるものだからです。
故人の財産にどんなものがあってどのくらいあるのかを知っているのは、故人そのひとだからです。

現在、遺言書への財産目録添付は任意※となっています。
任意ではありますが、財産目録の作成はご家族の負担を軽くします。
私どもが作成の支援をいたしますので、終活で財産目録を作成してみてはいかがでしょう。
相続財産とはどんな財産?
財産目録作成の際に注意したい点があります。
そもそも、なにを財産目録に書くのかというと、それは相続財産です。
この際に注意点があります。
それは、相続財産にはプラスの資産だけではなく、マイナス資産も含まれるということです。
相続に馴染みのない方は、「財産」を預貯金や不動産といった資産と思いがちですが、借金や債務といった負債、いわゆるマイナス資産も含まれます。
↓相続財産については、こちらに詳しい記事がありますのでご参照ください。

相続財産調査は大変!
相続財産調査とは、故人の財産がどれだけあるかを調べ、価値を適正に評価・査定することです。
一般的に、故人のご家族、ご遺族、相続人※2が行います。
※2誰が相続財産調査を行う?
一般的に、相続財産調査を行うのは故人のご家族、ご遺族、相続人ですが、弁護士、司法書士、行政書士といった専門家に依頼することもできます。
ただし、専門家に依頼すれば費用(相続財産額に比例)がかかります。
あなたは、これまでご家族と財産についてお話したことがありますか?
お話になったことがないなら、相続財産調査に係るご負担は相当なものになるでしょう。
あなたの財産についての何も知らない状態から全て調べあげなければならないからです。
財産のなかには紛失してしまったもの、価値のないものもあるでしょう。
また調べるのには骨の折れる手間が強いられるものがあります。
ネット証券やネット銀行の資産は、ログインしなければ確認できません。
クレジットの支払い明細や保険証書は、設定次第で郵送されないどころか紙面で発行されないものもあります。
通帳や契約書のほか郵便物、ノートやメモといった、財産をほのめかすものの一切合切を、部屋や物置にあるタンスや戸棚、机の棚や引き出しをひっくり返し、資産の評価をしなければならないのです。
こんな大変な相続財産調査ですが、それでは何故、この調査は行われるのでしょうか?
相続財産調査が必要な理由
相続財産調査は、ご家族やご遺族に大変な手間をかけるお手続きです。
それではなぜ、これほど大変な相続財産調査が行われなければならないのでしょうか。
これらが相続財産調査が必要な理由です。
まず、ひとつめの相続放棄、限定承認の判断についてご説明します。
相続放棄、限定承認の判断を行うため
相続放棄とは、相続財産となる資産や負債を全て放棄することです。
言い換えれば、相続人が相続で得られる“一切”を拒否することです。
限定承認とは、故人の負債を払った後の財産を相続することです。
言い換えれば、相続人が自分の相続分で得た財産の限度で、被相続人の債務を引き継ぐことです。
この相続放棄(あるいは、限定承認)は、どんなときに行われるのでしょうか?
相続放棄は、一般的にマイナス資産のほうがプラス資産よりも大きいときに行われます。
マイナス資産のほうが大きければ、自分のものではない借金や義務を負わされるからです。
だから相続人には、マイナス資産のほうが大きかったときのために相続財産を放棄する権利が認められています。
ただこの権利を使うためには、プラス資産とマイナス資産の全てを洗い出し、どちらが多いのかを知っておかなければなりません。
相続放棄をするかしないか。
その判断を行うために相続財産調査が必要となってきます。
相続放棄・限定承認は相続が開始されたことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申述しなければならない、ということはしっておいたほうがよろしいでしょう。
相続税を算出するため
相続税とは、財産相続時、相続財産に課される税金のことです。
相続税は、常に課せられるわけではありません。
相続税は、相続財産の額が、一定の額※3を超えた場合に加算されるものです。
したがって、一定の額を超えなければ相続税を支払わなくても良いのです。
そのため、故人の相続財産がいくらあるのかを調査しておかなければなりません。
その結果次第で、相続税が課せられるか課せられないかが決まるからです。
相続財産がいくらあるのかを調査する手続きが、この相続財産調査なのです。
※3相続税が課せられる一定の額とは?
相続税は相続財産が一定の額を超えると加算されます。
一定の額は、相続人の数によって変わります。
| 相続人の数 | 相続税が課せられる一定の額 |
| ひとり | 3,600万円 |
| ふたり | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
相続人が3人を超えると、1人増えるごとに「相続税が課せられる一定の額」は600万円加算されます。
相続人が多ければ多いほど、相続税が課せられる一定の額も大きくなっていきます。
たとえば、あなたの相続人が奥様だけだとすると、相続財産が3,600万円未満であれば相続税は課せられません。
基本的なことですが相続財産調査は、評価・査定される対象に抜けがあってはなりません。
なぜなら、相続財産調査は相続税算定の基礎となるだけでなく、相続を受け継ぐか放棄するかの判断基準となるからです。
以上からお分かりになることと存じますが、相続のお手続きの中でも相続財産調査は大切なものです。
そして、この相続財産の基礎となるのが、財産目録なのです。
財産目録作成をオススメする理由

財産目録とは、一定の時点で所持している財産を一覧にしたものです。
一般的に財産目録は、遺産分割協議や遺産分割審判で必要とされます。
したがって、財産目録はそのときになって作ればよいと考えている方もおられます。
しかし、前述の通り、いったん相続が開始されれば、相続財産調査は必ず行われるものなのです。
相続財産調査が必ず行われるものなのであれば、財産目録の作成もまた必要です。
財産目録の作成は決して難しいものではありません。
難しいものではありませんが、手間と時間がかかるものです。
あなたは、その手間と時間をご家族におかけしたいでしょうか?
もし、あなたが生前に、財産目録を作成しておけばどうでしょう。
ご家族が相続財産調査の手間にかかる時間や労力を大幅に軽減できるのではないでしょうか?
相続財産調査の対象はご自身の財産です。
財産のことを知っているのは、他でもないあなた自身です。
それならば、ご家族のご負担を減らすことを目的に終活の一環として作成することを検討してみてもよいのではないでしょうか。
相続財産を漏れなく把握できれば、相続の手続きが進行中に新たな財産が発見される可能性は小さくなるはず。
すると、遺産分割協議が行われる可能性もまた小さくなるでしょう。
ここまでこの記事をお読み頂いて、財産目録の作成を前向きに検討してみたいと思われた方。
そんな方向けに、このブログでは、財産目録の作成を支援いたします。
具体的には、財産目録の作成例を掲載し、作成には、どんな情報が必要でどう作成していけばよいのかをお見せいたします。
※遺言書への財産目録添付は任意
現在、遺言書への財産目録添付は任意とされています。
ただし、自筆証書遺言書保管制度を利用する場合には、財産目録の添付が必要です。
財産目録はPCで作成したものや登記事項証明書を添付してもOKです。
前述したように、相続手続きの最中に相続財産調査で漏れてしまった財産があれば、遺産分割協議が行われます。
遺産分割協議はできるだけ避けたい手続きです。
そのためにも、相続財産調査で把握されていない財産が発見されることがないような、漏れのない財産目録を作成すべきでしょう。
終活で作成する漏れのない財産目録術
こちらで財産目録の作成例を掲載していきます(準備中)。
漏れのない財産目録を作成するには、ひとつひとつの財産を確実に財産目録に記入していくことです。
大変な作業ですが、ご家族のためにも是非取り組んでいただければと思います。
財産目録には決まった書式※4はありません。
あなたが、見やすいと思う書式で作成されてもよいのです。
※4財産目録には決まった書式がない
財産書式には決まった書式がありません。
パソコンで作成することもできますし、遺言者以外の方が作成しても有効です。
財産目録として土地について登記事項証明書を、預貯金について通帳の写しを添付しても可です。
決まった書式はありませんが、土地なら住所や地番、地積など、家屋なら住所や構造、床面積など特定するための情報は当然のこと、評価の基礎となる情報を記載しておくことをお勧めします。
記入すべき項目が抜けがないよう注意いただければと思います。
まとめ

この記事では、終活中にやってしまいたいご家族にご面倒をかけない財産目録作成術をご紹介しました。
財産目録とは、一定の時点で所持している財産を一覧にしたものです。
相続の場面で、財産目録が必要とされるのは遺産分割協議が行われる場合です。
そのため、財産を遺す立場であろうあなたは、本来、財産目録の作成を検討しなくてもよいのです。
しかし、あえてこの記事では財産目録の作成をお薦めしたいと思います。
なぜなら、財産目録を作成することで、相続開始後のご家族のご負担を軽減できるからです。
相続開始後、相続人は故人の財産がどれだけあるかを調査します。
この調査を相続財産調査といい、故人の全ての財産(プラスの財産のみならずマイナスの財産も)を調べ、それらの財産を適正に評価・査定します。
被相続人を亡くした悲しみが消えない内に行われる相続財産調査は、そもそもが大変な調査。
なのに、相続放棄の手続きや相続税の算出を行うために確実に、かつ早急に求められる調査でもあります。
もし、相続財産調査をしているご家族に財産目録があればどうでしょうか?
故人の財産にまとめられた情報があれば、ご家族のご負担は軽減できると思いませんか?
財産目録は作成するのであれば、漏れがないよう確実に作成しなければなりません。
漏れのない財産目録が作成できるよう当ブログでも支援いたします。
是非当ブログを参照して、ご家族のご負担を減らす財産目録を作成していただければと思います。


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