認知症になっても成年後見制度があるから大丈夫、とはならない成年後見制度の落とし穴

成年後見制度とはなんでしょうか?


成年後見制度とは、認知症や精神障がい、知的障がいなどにより判断能力が衰えてしまった方々を支援する制度です。

Rさん

聞いたことはあるけど、どういったものかよくわからないな。

成年後見制度という制度を耳にしたことはあっても、それがどのような制度なのか、Rさんのようによく分からない方もおられるでしょう。

判断能力の衰えたご家族がおられる、あるいは介護・福祉の現場に身を置いていなければ、それは当然です。
なぜなら成年後見制度は、その必要性がなければ知らなくてもよい制度だからです。

しかし、それは「これまでは」の話だとしたらどうでしょうか。
これからは身近な話になるおそれがある、としたらどうお感じになるでしょうか?

成年後見制度とはどういったものなのか?をご説明するために、まず成年後見制度が期待される具体的な場面をご紹介いたします。

次のものが、成年後見制度が活用される具体的な場面ですが、あなたに思い当たるものがないでしょうか?

成年後見制度の活用が期待される場面
  • 判断能力の衰えがではじめたので施設に入所しようとしたが、契約が結べない。
  • 認知症の症状がではじめた母を介護施設に入所させた。
    入所費用は母の預金口座を当てにしていたが、金融機関が認知症であることを理由に預金の払戻しを拒む。
  • ひとり暮らしをしている高齢の母の自宅に、見慣れない健康食品やサプリメントが大量にある。
    母にそれらの商品をどうしたのかと尋ねても、うるさがるばかりで埒があかない。
  • 遺産の分割方法について相続人が話し合うらしいが、認知症の自分は出席できない。

このような場面では、成年後見制度の活用が期待されます。

自分が、あるいはご家族の誰かが認知症になったら「成年後見制度を活用すればよい」と考えている方もおられるのではないでしょうか。
実際に、市区町村の自治体や金融機関は、ご本人に判断能力の衰えがみられれば、まず成年後見制度を勧めてくる傾向にあるようです。

市区町村の自治体や金融機関の勧めは間違いではありません

間違いではないのですが、成年後見制度はメリットばかりではなくリスクもあり、全面的に頼ってしまえない制度です。
では成年後見制度が頼れないとすれば、どうすればよいのでしょうか。

本記事では、まず成年後見制度とはどんな制度なのかをご説明します。
次に成年後見制度が全面的に頼れない理由を述べます。
それらに言及したあと、では、どうすればよいのかについてご提示しました。

【この記事がおすすめな方】

  • 成年後見制度とはどのような制度なのか分からない
  • 認知症になっても成年後見制度があるから大丈夫と思っている
  • 成年後見制度には頼りたくないと思っている

成年後見制度は判断能力の衰えた方が頼る最後のトリデ

成年後見制度とは

成年後見制度は、認知症や精神障がい、知的障がいなどにより判断能力の衰えてしまった方々を支援する制度です。

判断能力が衰えると、”契約を締結する”といった法律行為ができなくなります。
法律行為ができなければ、あなた、あるいはご家族が不利益を被るおそれがでてきます。

判断能力が衰えたことで被る不利益な例として身近なものは、銀行との取引に制限がかかること。
最たる例が、いくら預金が口座にあっても、その預金が出金できなってしまうこと。
こういった場合でも後見人がいれば、預金を出金することができます。

判断能力の衰えた自分に代わって契約の締結や解除、財産の管理を行ってくれる
それが成年後見制度です。

成年後見制度には、任意後見制度法定後見制度のふたつがあります。

任意後見制度は、判断能力が健全な内に、将来の衰えに対して備えるもの。
法定後見制度は、判断能力が衰えたあと、本人に代わり財産管理や身上監護を行うもの。

法定後見制度でいう後見人等は、家庭裁判所ご本人の障害や認知症の程度に応じて補助人(「補助」)、保佐人(「保佐」)、成年後見人(「後見」)のいずれかが選任されます。
※法定後見人制度でいう後見人が後見人と表記されるのは、補助人、保佐人も後見人であるからです。

ご本人の障害や認知症の程度の軽い順に用いられる制度(補助、保佐、後見)を並べると
補助<保佐<後見となり、補助が一番軽く、後見が一番重くなります。

成年後見制度の活用を期待されるのが、次のようなシーンです。

介護サービス利用の契約を結ぶ

介護サービスを利用するためには、介護サービス提供者との契約が必要となります。

契約法律行為のひとつ
前述したとおり、判断能力の衰えが認められれば、法律行為ができません。
したがって、判断能力の衰えた者が介護サービスを利用するには、成年後見人等の選任が必要です。

預金口座の凍結を解除する

銀行などの金融機関が、口座名義人の判断能力の衰えを認めると預金口座を凍結します。

預金口座を「凍結する」とは、口座取引を全般的にできなくすることです。
つまり、入出金や引落し、振替え、名義人の変更、解約などの一切ができなくなります。

【預金口座の凍結により生じるリスク】

  • 入出金ができない
  • 年金が受け取れない
  • 年金の受取口座の変更ができない
  • 定期預金などの解約ができない

預金口座凍結の解消には、銀行に口座凍結の解除依頼しなければなりません。
ところが、この凍結の解除依頼は判断能力の衰えた口座名義人にはできません。

そのため、判断能力の衰えた口座名義人に代わって法律行為を有効に行える存在(=成年後見人等)が必要となるのです。
こういったケースでは、現状、成年後見制度を活用するしかありません

預金口座の凍結は、ご自身だけの”困った”にとどまりません。
預金口座をあてにしていた、ご家族にもご迷惑をかけるおそれがでてきます。

判断能力が衰えた者でもできる銀行との取引
銀行の口座凍結により親族への負担が懸念されるとして、全国銀行協会が「不測の事態における預金の払出しに関する考え方」をまとめています。
この考え方によると、本人の判断能力の低下によって取引の可否について判断が難しい場合、取引範囲を本人以外でも取引できる「本人の利益に適合することが明らかである場合」に限定される。

全ての銀行がこのガイドラインに従うわけではなく、銀行次第の判断によるところもあり確実ではない。
🔗金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)

なお、判断能力の衰えにより、できなくなる取引は金融機関とのものだけにはとどまりません。

介護サービスの費用を、「家や土地を売ったお金で賄いたい」と考えている方もおられることでしょう。
しかし、判断能力が衰えてしまえば、家や土地を売ることができません。
つまり、売却したお金で介護サービスの費用に充てるといった目論見は叶うことはありません。
※後見人が就いているからといって、家や土地が売れるとは限らない点に要注意です。

SF商法、訪問販売で購入した商品をキャンセルする

SF商法(催眠商法)とは日用品等をただ同然で配ったりし歓心をひいた来場者に高額商品を購入させるものです。
SF商法での主な被害者は「孤独」、「判断能力の衰えた」高齢者です。

「孤独」、「判断能力の衰えた」高齢者が被害者となるケースはSF商法だけにとどまりません。
判断能力の衰えた高齢者に、電話で、あるいは直接訪問により高額な商品を買わせる業者も存在します。

SF商品や訪問販売で締結した契約は、成年後見人等が取り消すことができます
※任意後見人は、取消すことができないことに注意が必要です。

遺産分割協議に出席する

判断能力が衰えると法律行為ができないため、遺産分割協議に参加できません。
すると、次のような”困った”が生じてしまいます。

【遺産分割協議で生じる判断能力の衰えによる”困った”例
判断能力の衰えた奥様と長男さまを相続人として相続が開始されたものの、故人の銀行口座は死亡を理由に凍結されている状態。
そのため、故人の銀行口座からは出金することができない。

この例で口座凍結を解除できるのは、遺産分割協議で決定される銀行口座の相続人のみです。
しかし、奥様は判断能力が衰えているので、遺産分割協議に参加できません。
すると、遺産分割協議が整わないので、相続人が確定できず、その結果口座凍結が解除できない、ということになります。

判断能力の衰えた者が相続人として法律行為を求められる場合、現状では成年後見制度を利用するしかありません

成年後見人等ができること

被後見人の「身上監護」「財産管理」を担うのが、成年後見人等です。
身上監護」「財産管理」とは、具体的に次のようなものです。

身上監護・入院手続き、医療費の支払い
・住居費の支払い、住居の修繕や手入れといった管理
・郵便物管理
・介護保険の認定申請
・介護サービスの契約手続き
・施設入所手続き、介護費用の支払い
財産管理預貯金や現金の入出金管理・有価証券の管理
・不動産や車といった資産の管理や処分
・税金の申告と納税・公共料金支払い
・社会保障関係の手続き
・年金申請や受け取り(年金の管理)
・遺産分割協議、売買契約、賃貸借契約等の本人が行うべき法律行為
https://guardianship.mhlw.go.jp/guardian

これらが成年後見人等ができることとなります。

タイソウさん

なんだ、後見人という大層な名前のわりに大したことができないな。

後見人だから何でもできる、何でもしてくれるというのは過大評価です。

後見人は決して万能ではありません。
後見人がいなければできないことがありますが、後見人にもできないことがあるのです。

成年後見人等ができないこと

成年後見人等ができないこととは次のような行為です。

成年後見人等ができないこと
  • 事実行為
  • 身分行為
  • 一部の医療行為の同意
  • 日常生活上の消費の取り消し・同意
  • 被後見人の保証人となること
  • 被後見人と利益相反となる行為

「事実行為?」「利益相反行為?」という方は後見人ができないことについて、より詳しくこちらでご説明していますのでご参照ください

成年後見人等ができること、できないことをこうして見てくると、自分でもできるとお思いになりませんか?
実際、判断能力の衰えた者を抱えるご家族の大半が「家族を後見人として就任させたい」と希望します。
何故なら、ご家族のことを一番よく知っているのはご家族だからです。

しかし、「ご家族を後見人として就任させたい」という希望はほとんど叶いません。
2023年、ご家族のどなたかが成年後見人等として就任できたのは申立て件数のわずか2割ほどでした

この件につきましてご家族が後見人等として就任できる割合の低さも含めて、「成年後見制度活用をためらう5つの注意点」に後述します。

法定後見制度の3類型

成年後見制度に基づき家庭裁判所で選任される法定後見人等には3つの類型があります。
補助」「保佐」「後見」の類型です。

家庭裁判所がご本人の障がいや認知症の程度を勘案し3類型の中から選任します。

補助保佐後見
対象者【軽度の認知症症状】
・お米を研がずに炊く
・借金を繰り返す等
【中度の認知症症状】
・物忘れ
・買い物で千円を出したか五千円を出したか分からない
・日常生活に支障等
【総合失調症】
自分ひとりで
決めることが困難
同意、取消〇申立てし裁判所が
定める行為
借金、相続の承認等ほか
申立てし裁判所が定める行為
原則、全ての法律行為
代理〇申立てし裁判所が
定める行為
申立てし裁判所が定める行為原則、全ての法律行為
https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/

ご本人の障がいや認知症の程度の軽い順に補助、保佐、後見を並べると補助、保佐、後見となり、補助がもっとも軽く、後見がもっとも重くなります。

補助では、補助人が取消しできる行為や代理できる行為をある程度自由に決定できます。
※ご本人がご自身の意思でできることがあるため

一方、後見は障がいや認知症の程度が重いため、ほぼ全ての法律行為を後見人に任せきりになってしまいます。

見落としてはいけない点は、後見、保佐、補助の内、どの類型が選任されるかは家庭裁判所の決定による、ということです。
言い換えれば、あなた自身で自分は軽度の認知症だから補助人で十分だと思っても、補助人が就任するとは限りません。

法定後見制度でかかる費用

法定後見制度でかかる費用には、申立て時にかかる費用、後見人等就任後、継続してかかる後見人等への報酬があります。

法定後見開始の審判の申立てにかかる費用

後見人等を判断能力の衰えた者に就けるには、家庭裁判所に法定後見開始の審判を申立てなければなりません。
法定後見開始の審判を申し立てるには、幾点かの書類と次の手数料が必要となります。

補助保佐後見
申立手数料800円※2800円※3800円
登記手数料2,600円2,600円2,600円
その他連絡用の郵便切手4,200円、鑑定料10万円~20万円※1、診断書
https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/

※1鑑定料とはご本人の判断能力がどの程度あるかを医学的に判定する手続「鑑定」の費用
 診断書の内容や申立書等によっては不要な場合もあり。後日裁判所より連絡あり。
 「鑑定」とは別に、3か月以内の医師の診断書が必要。
※2補助人への同意権又は代理権付与審判の申立て各々に800円
※3保佐人への代理権付与審判、保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判の申立て毎に800円
🔗後見/保佐/補助の開始申立手続に要する書類と費用(チェックリスト)

成年後見人等の報酬額目安

管理財産額が高額になればなるほど、成年後見人等に対する報酬は高額となる傾向です。

基本報酬目安管理財産額
1000万超5000万以下
管理財産額
5000万超
成年後見人等20,000円/ 月30,000円~40,000円/ 月50,000円~60,000円/ 月
成年後見監督人※410,000円/ 月10,000円~20,000円/ 月14,000円~30,000円/ 月
付加報酬身上監護等に特別困難な事情基本報酬額+50%
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/kouken/010204.pdf

※4成年後見監督人とは成年後見人を監督する者で、裁判所が就任の必要ありと判断した場合に選任されます。
主に成年後見人等にご家族のどなたかが就任しているケースに選任されます。

上表の報酬額目安は、あくまでも目安です。
なので、この目安が最低額だと思われても結構でしょう。

成年後見人等が選任されれば、最低でも一か月に20,000円、年に240,000円の費用が必要となってきます。

どんな家庭にとっても1年に240,000円以上という負担額は決して軽くないはずです。
成年後見人等が全面的に頼れない理由のひとつは、決して軽くない費用を長期間に渡り負担し続けなければならないことです。

しかも、いったん成年後見人等が開始されれば、ご家族の一存によって就任を解除することはできません
基本、ご本人が亡くなるまで、成年後見人等は就任し続けます。

成年後見制度が全面的に頼れない5つの注意点

成年後見制度は、判断能力が衰えたときに日常生活や財産管理を支援してくれる制度です。

だからといって、ご自身が認知症になったとしても「成年後見制度があるから大丈夫」と安心してほしくありません
なぜかと申せば、成年後見制度は決して万全な制度ではないからです。

金融機関や裁判所、市町村自治体といった公的機関は、判断能力の衰えに成年後見制度の活用を勧めてくるかもしれません。
国や自治体が勧めるのなら、自分が認知症になっても安心と安易に思ったりせず、ぜひ成年後見制度のリスクをご自身で見極めていただきたいと存じます。

成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度のふたつがあると申しました。
ここでは、その内のひとつ、法定後見制度について万能な制度でない理由をご紹介します。

法定後見制度が全面的に頼れない理由
  • 後見人等にご家族が選ばれにくい
  • 手間時間がかかる
  • 費用がかかる
  • いったん開始されると任意で終了できない
  • 財産処分の自由が制限される

後見人等にご家族が選ばれにくい

もし、あなたに後見人等が必要となったして、後見人が選べるとしたら、あなたは誰を選びますか?
ご家族のどなたかにと思われるのではないでしょうか?

しかし、当然ともいえるこの希望が「叶うことのほうが少ない」としたら、あなたはどうお感じになるでしょうか。

成年後見人等にはご家族でもなることができます。
ご家族以外の者に家に入って欲しくない。信頼できない、お金がかかる、といった事情から、ご家族以外の者に後見人を頼みたくないということもあるでしょう。

ですが、成年後見人等を選ぶのは家庭裁判所です。ご家族の希望した者が後見人等になるとは限らないというのが実情です。
なぜでしょうか?

それは過去、成年後見人等に就任された方が、ご本人の判断能力の衰えをいいことに財産を使いこんだり横領したりするケースが相次いだからです。
そのため、家庭裁判所はご家族からではなく弁護士、司法書士等の専門家を選ぶ傾向にあります。
※ご本人が裕福である、専門知識が必要とされるといった場合はより顕著

たとえご家族が後見人に就任されても、弁護士や司法書士といった専門家が成年後見監督人となるケースが大半です。

手間と時間がかかる

判断能力の衰えがみられたとしても、すぐに後見人等が就くわけではありません。

後見人等の就任には、家庭裁判所への申立てが必要になります。
家庭裁判所への申立てには、家庭裁判所への出頭とともに、診断書や戸籍謄本といった書類の提出が求められます。
🔗後見/保佐/補助の開始申立手続に要する書類と費用(チェックリスト)

申立てには手間や時間がかかる他、申立て後も後見人等の就任までおよそ1か月~3か月程度かかります。
つまり、銀行口座が凍結されてしまいお金が引き出せず困っているという方でも、およそ1か月~3か月程度待たなければならない、ということです。

費用がかかる 任意で終了できない

後見人等が就任すると、費用がかかります。

家庭裁判所への申立て時にかかるだけではなく、毎月、後見人等に対する報酬が必要です。
判断能力が復帰すればよいのですが、後見人等を就けなければならない程の認知症となれば、ほぼ回復の見込みはないでしょう。
軽度認知障害(MCI)は認知症の前段階とされ、回復の可能性があります。

回復の見込みがなければ、長期にわたる報酬の支払いは必至です。
※具体的な費用は前項成年後見制度でかかる費用をご参考ください。
ご家族が後見人等に就任できれば費用の負担は幾分軽くなりますが、実情ではご家族が後見人等に就任できるのは2割程度といわれます。

いったん成年後見人等が就任すると、ご本人の症状が回復しない限り解除できません。
基本、経済的な負担はご本人が亡くなるまで続いてしまうと考えてよいでしょう。
成年後見人等はご本人が判断能力を回復し、家庭裁判所で取り消しの審判を受ければ終了できます。

財産処分の自由が制限される

後見人等は、ご本人の財産を減らす行為やご本人の不利益となる行為ができません。
財産を減らす行為や不利益となる行為ができない理由は、ご本人の財産を守るためです。

そのため、後見人等は、通常、ご本人が所有する財産を自由に処分できません。

注意すべきは、財産を減らそうと思っていない、むしろ財産を増やそうと思って行った投資や処分が、ご本人に不利益、損害を与える行為とみなされてしまう点です。

ご本人の財産を減らす行為、不利益とみなされてしまう行為
  • 投機的な投資や高リスクの金融商品の購入
    投資信託などの購入や投機的な不動産の購入等は、ご本人の財産を減らす行為とみなされます。
  • ご家族への財産分与
    お子様への資金援助や贈与は、ご本人の財産を減らす行為とされます。
  • 土地を売ったり、抵当権を設定したりする
    土地を売れば浪費しやすいお金になるため、抵当権を設定すれば財産的価値を減らすとみなされるため。

もし認知症になったら?終活として考えておくべき判断能力が衰えたときの対策

法定後見制度にはリスクがあります。
しかし、いったん認知症だと判断されてしまうと、法定後見制度しか選択肢がなくなってしまうのが実情です。

それが、判断能力の衰える前であれば、ご本人の、そしてご家族の利益となる選択肢の幅が増えるとなればどうでしょう。
選ばざるをえない選択肢よりも、複数の選択肢の中から自分にあったものを選ぶほうがずっと合理的ではないでしょうか?
判断能力が健全な内に選択できる、ご本人の、そしてよりご家族の利益となる選択肢は「家族信託」、「任意後見制度」、「生前贈与」等です。
(※これらの制度を活用するには、ご家族との話し合いや、”これから”のことを熟考することが必要です)

家族信託
不動産や預貯金等の資産を信頼できる者に託し、ご自身の老後の生活や介護といった特定の目的にそった財産管理や処分を行う仕組みです。

🔗家族信託とは?(一社)家族信託普及協会

任意後見制度
ご自身の判断能力が健全な内に、信頼できる者に財産管理や身の回りの世話等を行ってくれるようお願いする制度です。

詳しくはこちらから

https://rich-hack.com/2024/08/29/seinen

生前贈与

自分が生きている間に財産を他者に無償で与えることです。

まとめ

この記事では成年後見制度についてまとめました。

成年後見制度とは、認知症や精神障がい、知的障がいなどにより判断能力の衰えた方々を支援する制度です。
「自分ひとりでは判断することが難しい」と思ったときに検討したい制度といえるでしょう。

成年後見人等ができることには「身上監護」「財産管理」があります。

身上監護・医療、福祉サービスとの契約・手続き・支払い
・住居費の支払い、住居の修繕や手入れといった管理
・郵便物管理
・介護保険の認定申請
財産管理・預貯金や現金の入出金管理
・不動産や車といった資産の管理や処分
・税金の申告と納税
・年金の申請や受け取り
・契約の締結や取り消し
https://guardianship.mhlw.go.jp/guardian

「自分ひとりでは判断することが難しい」方にとって、生活上必要な手続きを行ってくれる後見人等は、なくてはならない存在といえるでしょう。

成年後見制度には、任意後見制度法定後見制度のふたつがあります。

任意後見制度は、判断能力が健全な内に、将来の衰えに対して備えるもの。
法定後見制度は、判断能力が衰えたあと、本人に代わり財産管理や身上監護を行うもの。

後者の法定後見制度は、本人の判断能力が衰えたあとでも、本人のために法律行為が行える不可欠な制度です。
しかし、この法定後見制度は万全なものではありません。

法定後見制度が全面的に頼れない理由
  • 後見人等にご家族が選ばれにくい
  • 手間時間がかかる
  • 費用がかかる
  • いったん開始されると任意で終了できない
  • 財産処分の自由が制限される

このようなリスクを避けたいと思っても、いったん認知症になってしまえば法定後見制度を選ぶしかなくなります。

認知症になる前であれば、将来の衰えのためにできる備えは幾つかあります。
家族信託」、「任意後見制度」、「生前贈与」、「遺言書作成」などです。

認知症になっても制度があるからと何もしないか、将来に備え準備しておくか。
この記事を読んでいただき、ご自身のあるいはご家族のために良い方法を検討して頂ければと存じます。

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