万が一、自分の身になにかあったらどうしよう。
こういった不安は生きている限り、付きまとうものです。
ご自身の元気な内から、万が一があったらどうしようと思い悩むのは妙な感じです。
不安を突きつめてみると、あとにのこされる家族やご子息、ご息女に迷惑をかけたくないという思いからきているのではないでしょうか。
その不安のひとつに、ご自身のお葬式やお墓をどうするかといったものがあります。
たとえば、「自分の希望にそった葬儀がしてもらえるのだろうか」というものです。
ご自身のご希望をエンディングノートにのこしておくというのも良いでしょう。
ここでは、エンディングノートを利用する以外の方法として、
ここではご自身でのお葬式やお墓の検討や手配についてまとめました。
終活として行う葬儀とお墓の手配

まずは日本で行われる葬儀のキソから述べていきます。
葬儀のキソ
葬儀を執り行うには、いくつかの点を予め決めておかなければなりません。
葬儀の形式
日本で行われる葬儀のほとんどは、仏式です。
※仏式以外の形式には神式、キリスト式があります。無宗教式もあります。
僧侶による読経で故人を葬送し、戒名をつけてもらいます。
また仏教には浄土真宗、真言宗、曹洞宗、天台宗などの宗派があります。
代々付き合いのある菩提寺を呼ぶケースと、葬儀社からお寺を紹介してもらうケースがあります。
葬儀の規模
葬儀の規模はどういった方を会葬者として招くか、どのような形式で執り行うかによります。
その希望によってどのような形式になるかが決まります。
近年ではエンディングノートなどに自分の葬儀に参列してほしい方を「家族葬」に、ご遺族の負担が減る新しい形式の「一日葬」を希望する方が増えているようです。
| 形式 | 内容 | 通夜の 有無 | 参列者 の限定 |
| 一般葬 | ご遺族・ご親族、友人知人、会社関係者、近隣の者等が参列者 | 〇 | × |
| 家族葬 | ご遺族や近親者、親しい友人のみが参列する | 〇 | 〇 |
| 一日葬 | お通夜を行わず、告別式と火葬を一日で行う | × | × |
| 直葬・火葬 | 火葬のみを行う | × | 〇 |
喪主の決定・宗教者の決定
喪主は誰がするという決まりはありません。
一般的には故人のご家族の誰かであるケースが多いです。
喪主を生前にどなたかに頼んでおけるのが、ご安心でしょう。
身寄りがいないおひとり様の場合は、兄弟姉妹や叔父、叔母が喪主となるケースもあります。
一般的に喪主が葬儀の費用を負担するものと認識されています。
「ご家族との関係性が悪い」、「おひとり様」のケースでは、あなたが何も決めておかなければ喪主を務めてくれた者に、費用を負担させてしまう可能性があります。
喪主に全費用を負担させたくない場合はこちらをご覧ください。
お葬式の執り行う場所・日程など
お葬式の執り行う場所はともかく、日程が生前に決められるわけがありません。
あなたが「ご家族との関係性が悪い」、「おひとり様」であれば、万が一が生じたときに葬儀の執り行いや、死後に必要な手続きを行ってくれる生前契約を締結しておくと安心でしょう。
生前契約とは、ご自身の死後や判断能力が低下した場合に備えて、身元の引き取りや財産の管理、葬儀などの手続きを業者や団体に依頼する契約です。
生前契約は、葬儀社等と結ぶケースが一般的です。
葬儀の費用
葬儀に対する不安には、「いくらぐらいかかるのだろう」という費用に関するものもあると思います。
株式会社鎌倉新書が2年に1度行っている「お葬式に関する全国調査」の第6回(2022~2024年)では、葬儀の平均費用が、一般葬161.3万円、家族葬105.7万円、一日葬87.5万円、直葬42.8万円としています。

葬儀費用を備えるには
葬儀費用は、一括で支払われることが一般的です。
高額なものとなりやすい葬儀費用を準備するために、次のような方法があります。
銀行等は、口座名義人が死亡したことを知ると口座を凍結させます。
銀行口座が凍結されれば、故人の預金で葬儀費用を支払うことができなくなってしまいます。
銀行口座の凍結対策
銀行口座の凍結対策には、銀行等が口座名義人の死亡を知る前に預金を出金してしまうという方法があります。
しかし、この方法は相続の承認とされてしまうこともあるので注意が必要です。
「相続の承認とされてしまう」とは?
相続の承認とは、故人の借金、ローンといった負債も相続するという意思表示です。
故人の財産(預金口座のお金等)を少しでも使ってしまうと相続の承認と受け取られてしまうこともあります。
借金、ローンといった負債が多く相続の放棄をしようと思っていたのなら、要注意です。
より確実なのは遺言代用信託、または葬儀保険です。
遺言代用信託とは、生前信託された資金を、死亡時に簡便な手続きで、予め指定したお受取人に指定された方法で支払うものです。
葬儀費用が捻出できない場合には、「葬祭扶助」を活用することで補助金が受け取れる場合があります。この制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。
冠婚葬祭互助会とは
互助会とは、毎月定額の掛け金を前払い金として積み立て、結婚式や葬儀(冠婚葬祭)の際に掛け金に応じたサービスを利用できる仕組みです。
- 毎月の掛け金は互助会によって異なります。
大半の互助会が、掛け金を月1,000円~5,000円に設定しています。 - 満額を20万円~30万円と設定するところが多いようです。
- 5~10年で満期となります。
冠婚葬祭互助会のメリットとデメリット
冠婚葬祭互助会でのトラブル例
- 冠婚葬祭互助会の積立額で、葬式費用をまかなえない
互助会の積立額は満額が少ない分、毎月の掛け金も少額です。
※月3,000円で10年積み立てても、36万円。
そのため、葬式費用が互助会での積立額で賄えず、追加で費用を請求されるケースがあります。
- 冠婚葬祭掛け金が全額払い戻されるとは限らない
互助会によっては、積立額の全額が払い戻されないことがあります。
※サービスを利用する前に契約を解約すると手数料がかかります。
既定の手数料が差し引かれることがあるので、解約にあたっては契約がどうなっているか確認する必要があります。
お葬式の費用を安く抑えるコツ
お墓・墓地の準備
お墓・墓地のキソ
まずお墓を立てようと思えば、お墓のための土地(墓地)を準備しなければなりません。
墓地を準備するにあたり注意する点があります。
それは「墓地を買う」といったときに、土地を買うのではなく、土地を利用するための権利「永代使用権」を買うということです。
永代使用権とは墓地を利用するための権利です。
永代使用権は相続されますが、墓地の所有権は寺院や霊園にあります。
墓地を使用しないのであれば、更地にして返却しなければなりません。
墓地の種類
| 寺院墓地 | 寺院の境内にあり、寺院が管理。利用するには檀家となることが求められる。 |
| 公営墓地・霊園 | 自治体が運営・管理する墓地。 比較的使用料・管理費が安価な上、利用できる宗教・宗派に制限がない。 |
| 民間墓地・霊園 | 公益法人・宗教法人が運営・管理する墓地。 公営よりも運営・管理費が高め。大半が郊外。 |
埋葬のスタイルと費用の目安
| 一般的な埋葬 | 火葬 | 直葬のみ 公営~10万円;民営20~40万円 |
| 土葬 | 50~300万円 | |
| その他の埋葬 | 合祀 | 他人の遺骨と一緒に埋葬。 遺骨は取り出せない |
| 共同埋葬 | 巨大な埋葬スペースに個別の骨壺を納める | |
| 散骨 | 遺骨を粉末化して自然に散布 | |
| 自然葬 | 樹木葬 | 遺骨を樹木下に埋葬 合祀型5~30万円;個別型35〜150万円;集合型15〜60万円 |
| 海洋葬 | 遺骨を海に散布 費用は2~50万円 | |
| バルーン葬 | 遺骨を空に散布 費用は20~100万円程度 | |
| 宇宙葬 | 遺骨を宇宙に送る 費用は120万円~ |
終活としてしておきたいことは、自分のお墓をどんなものにしたいかを明確にしておくことです。
お墓をどうしたいのかが明確になれば、どのくらいの費用を準備しておけばよいかも自然、明らかになります。
故人となってしまえば、金融機関口座は凍結されてしまいます。
まとめ

自分の死を意識せざるをえない葬儀やお墓のことを考えるのは辛いことです。
しかし”死”は確実に訪れるもの。
せめてのこされる者に迷惑がかからないよう自分で決めて対応できるものは、できる限りしておきたいものです。
本記事では、終活では避けて通れない葬儀やお墓のことについてまとめました。
故人になる前に、お墓や葬儀についてできることは少なくありません。
自分の死んだ後のことだと「どうでも好きにしてくれ」と任せきりにするのは悪手で、むしろ決めておかないと、ご家族にご迷惑となります。
ご自身の意思をのこすには、エンディングノートとの相性が良いでしょう。
ご自身の望む葬儀の形、誰を参列者としてほしいのか、遺骨をどう処理してほしいのか。
終活として決めておいたほうが良いこと、しておいたほうが良いことは、こんなことです。
- 葬式をどうしたいのか
- お葬式の費用の準備
- お墓の準備
生前契約のように、あなたが元気の間に死んだ後の手続きを任せることのできる契約もあります。
