「終活」は一般に、人生の終わりに向けての活動とされています。
人生の”終わり“に向けての活動なんていわれると
「まだ先の話だ」
「自分には関係ない」
と、いまやるべきものではないとお感じになられる方もおられるのではないでしょうか。
《たくす行政書士事務所》は、終活を人生の終わりに向けての活動としてとらえないようにしています。
・自分の思いを大切な方に伝えるために
・大切な方にご迷惑をかけないために
終活は行われるととらえています。
終活を人生の終わりに向けての活動ではなく大切な方のために行うものととらえることで、終活というものをご自身が元気な内に、やってみよう。そんなお気持ちになるのではないでしょうか?

終活という語句には”終”という文字が含まれています。
“終”という文字は終活がどういったものかをイメージしやすいのですが、同時に”終わり”をイメージさせるので死にまとう暗さや抵抗感を感じられる方もおられるのではないでしょうか。
人としてこの世に生を受けた以上、終わりは必ず訪れます。
この大前提を変えられないなら、
自分の想いをちゃんと伝えることができた
ご家族や親しい方々にご迷惑をかけずに済んだ
そんな満足感や達成感をもって現世を辞去したいものです。
終わりを満足感や達成感で迎える。
満足感や達成感で迎えるために、終活を前向きに考えてみませんか。
終活を検討し始めたものの
「何をどうしたらよいの?」
「そもそも終活ってなに?」
そんな終活迷子のために、本記事では終活とはいったいなんなのかをご説明いたします。
「終活」は人生の終わりのための活動ではない

ご自身が高齢になり、来るべきお迎えの日のことを考え始めたあなた。
ところが、お迎えの来る日がいつなのかわかりません。
明日なのか明後日なのか、それとも5年後なのか、10年後なのか。
お迎えの日がいつなのかは誰にもわかりません。
わかりませんが、お迎えの日が来ることだけは確実です。
あなたはお迎えの日が来るまでになにを思い、なにをしたいと願うでしょうか。

できる限り身の回りを整理し、すっきりとした状態でお迎えの日を迎えたい。
Aさんのように、それこそ「立つ鳥跡を濁さず」ではありませんが、あれを食べたい、どこそこへ行きたいという希望は年と共に減少し、最終的に「せめて自分の回りだけでも、きれいにした状態でお迎えの日を迎えたい」と強くお感じになる方がほとんどではないでしょうか。
そうお感じになられるのはどうしてでしょうか?
故人になってしまえば、後のことはどうでも良いはずです。どう思われても良いはずです。
それでも、きれいにした状態でお迎えの日を迎えたいというのは、
あとにのこされる大切なご家族や親交のあった方から良く思われたい、面倒をかけたくないという心情が少なからずあるからではないでしょうか。
その心情は、とても自然なものだと思います。
繰り返しになりますが、お迎えの日はいつ来るか誰にも分かりません。
明日なのか明後日なのか、それとも5年後なのか、10年後なのか。
事故に巻き込まれ、思っていた以上に早くお迎えの日を迎えてしまった、とします。
お迎えの日が誰にも分からない以上、自分の予想以上にお迎えの日を早く迎えてしまうことだって当然、ありうるわけです。
そんなとき、「せめて身の回りだけでも、きれいにした状態でお迎えの日を迎えたい」と願っていた人にとって、自分の予想以上に早くお迎えの日を迎えることは不運以外のなにものでもありえません。
それなら、いつお迎えの日が来てもいいように今からでもその準備を行ったほうがよい気がしませんか?
いまは医療技術の向上や食生活の改善などにより90歳、100歳の方が周りにたくさんいます。
それ自体は喜ぶべきことですが、90歳、100歳まで自分は生きるからお迎えの日を迎えるための準備は後で良いという言い訳にしてはいけないと思います。
90歳、100歳まで生きるなら、むしろ終活はより重要となるでしょう。
お迎えの日を迎えるための準備が終活だとして、では終活とは具体的になんなのでしょうか。
終活という言葉だけが先行しすぎていて、終活とはなんなのか分からない。
そうお感じになられる方も多いことと思いのではないでしょうか。
終活でおこなうべきことは7つしかない
「終活」をお迎えの日を迎えるための準備としてとらえると、あまりにも漠然としすぎていて、どこから手をつけてよいか分からないというのが正直なところではないでしょうか。
しかし、それは終活として何をしなければならないかがはっきりしていないからそう感じるのです。
終活として考えておきたいこと、しておきたいことを整理すると、終活の中身は7つしかありません。
1.お金の流れの把握
お金の流れの把握とは、お金な出入りを今だけではなく、将来入ってくるお金、払わなければならないものも見込みとして記録することです。
「面倒くさい」「今までやってこれたし、これからも不要」という意見の方もおられるかもしれません。
一方で「子供にのこすつもりはない」と無計画にお金を使われる方もおられます。
「老後破産」という言葉をご存知でしょうか。
老後破産とは、定年後に収入以上の支出が続いて日々の生活が困難になってしまう状態です。
老後破産を避けるには、お金の流れの把握は必須です。
お金の流れを把握することで、終活がより具体的になります。
またご家族にご迷惑をかけたくないという思いで始められた終活なら、病院や施設への利用料、あるいは葬儀費用などでご家族にご負担をかけることを避けたいと思われているはず。
終活は「終わり」の活動ではありません。
これからの人生をより良く生きるための活動でもあります。
生きるためにはお金が必要です。そして現代は以前よりもずっと長生きできる環境が整っています。
だとすれば、お金の流れの把握することの大切さが実感できると思います。
2.エンディングノート

エンディングノートは一般的に、「人生の”終わり”に際し自分の情報をまとめておくもの」とされます。
あなたはエンディングノートを「”終わり“に際し自分の情報をまとめておくもの」と聞いて、エンディングノートを書きたいと思いますか?

私はエンディングノートを人生の”終わり“に際して書くものだと思っていませんし、”自分の“ためだけに作成するものだと思っていません。
エンディングノートは人生の”終わり“に際して書くものではなく、これからの人生をより良く生きるためにこれまでの人生で培ってきた情報を整理するためのツール、”自分の“ためというよりはご家族や親しい方々にご迷惑をかけないためのツールであると考えています。
エンディングノートには、お金やお住まい、介護やお墓についてあなたの考えを記す欄があります。
お金やお住まい、介護やお墓について、あなたの考えが明らかになっていれば、ご家族や親しい方々は判断に迷うことなくあなたのお考えに沿った対応をとることができるでしょう。
「エンディングノート」についてもう少し知りたい方はこちらをご参照ください。
3.お住まい
終活に際して、お住まいをどうするかは一大事です。
移転やリフォーム、売却のことを考えれば、その手間やかかる費用。
相続のことまで考えれば、ご家族も頭を悩ませる事案です。
お住まいは、人生のうちで大きなウェイトを占めるものです。
だからこそ、よくよく検討しなければならない課題なのですが、もし終活をせずにお住まいの課題をのこされる者に丸投げしてしまっては迷惑以外のなにものでもありません。
持ち主を失ったまま放置された家、ゴミ屋敷と化した家がまれに見受けられます。
そういった家は、ご家族だけでなく、ご近所の方にもご迷惑をかけてしまうおそれがあります。
「匂い」
「害虫・害獣」
だけではありません。
固定資産税や維持するための費用など放置してしまっても、かかる費用はなくなりません。
「売れない」
「子供が遠くに住んでいる」
そういった状況もあるかもしれませんが投げ出さず、考えておかなければならない終活です。
お住まいにまつわる不安には次のようなものがあります。
生前には・・・
- 今後の住まいを賃貸にするのか、それとも戸建てを検討するか。
- 今後、(戸建ての)住まいに住み続けるとしてどれくらいの経費がかかるか?
- 今後も(賃貸に)住み続けられるだろうか?
高齢になれば新規の賃貸は難しいと聞くが、借りられなかったら? - 同居している子供は今後も同様に住み続けるのか、自分に万が一があったら?
相続が開始されると・・・
- 税金はどのくらいかかる?
- 自分が考えている家の処分に、家族が反対だったら?
このような不安に対し遺されたご家族のために対応を考えておく、あるいは準備しておくのが終活となります。
「お住まい」についてもう少し知りたい方はこちらをご参照ください。
4.身の回りの整理

身の回りの整理とは不要なモノを処分し、モノの整理を行うことです。
断捨離の精神で行うことが基本とされていますが、思い出の詰まった品々を処分するのは断腸の思いでしょう。
子育てのひと段落する50代が最もモノが多い、らしいですが、それだけの思い出をこれまで増やしてこられたのです。
身の回りの整理には、「老前整理」「生前整理」「遺品整理」があるとされます。
これらはいったいどんな整理なのでしょうか?
身の回りの整理にまつわる不安には次のようなものがあります。
- 雑多な生活用品を片付けることなく他界してしまったら?
- 大事にしていた思い出の品が捨てられてしまうかもしれない。
- 自分のパソコンの中にデータが保管されているが、自分が他界したらそれらはどうなるのだろう?
- 後に残されたペットはどうなるのだろう?
このような不安に対し遺されたご家族のために対応を考えておく、あるいは準備しておくのが終活となります。
5.介護・医療

2000年度の介護保険制度の改革により、介護は利用者が受けたいサービスを選択し個人で契約を結ぶものにと変わりました。
そのため自分が認知症になったらどうするかといった場合も含めて方針をさだめ、手配しておかなければなりません。
介護・医療にまつわる不安には次のようなものがあります。
- 病院への入院、施設への入所時に必要とされる身元引受人、身元保証人を頼める人物がいない。
- 認知症になって銀行口座が凍結されたら?
- 突然、植物状態となったら?
自らの意思にそぐわない延命治療で家族に精神的、経済的負担を強いたくない。 - 事故に巻き込まれ身体が思うように動かせなくなったら?
自らの意思にそぐわない病院や施設に入院、入所させられたら?
このような不安に対しご家族のために対応を考えておく、あるいは準備しておくのが終活となります。
6.葬儀・お墓

あなたの希望にそった葬儀を行うために、生前から契約を締結・予約できる葬祭業者、互助会があります。
まだ自分が元気な内に、他界した後のこと、あるいは突然認知症になった場合に備え、身の回りのさまざまなことをしてくれるよう委任できるものに生前契約があります。
生前契約には「生前事務委任」「死後事務委任」「任意後見契約」があります。
生前契約の内容は日常生活の支援や財産管理、身元引受と広範囲に渡ります。
そのため、理解や把握することが難しく、思っていたサービスが受けられずトラブルになることがあります。
葬儀の種類に幾つかのものがありますが、お墓の種類にも家墓、共同墓、納骨堂、樹木葬墓地等があります。
葬儀・お墓にまつわる不安には次のようなものがあります。
- 自分の意思にそぐわない葬儀になったら?
- 来てほしくない参列者に参加されたらどうしよう。
- 自分の意思にそぐわないお墓に埋葬されたら?
このような不安に対し遺されたご家族のために対応を考えておく、あるいは準備しておくのが終活となります。
7.相続・遺言

遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言といった種類がありますが、手軽で自由できる自筆証書遺言が一般的とされますす。
「財産はないから遺言など大袈裟だ」
「家族同士話し合って良いように分配してくれるだろう」
つい、面倒くささからこう考えてしまいがちですが、この考えは危険です。
自己判断や希望的な憶測は、自分の面倒ごとを丸投げすることはご家族に不利益となるおそれがあり、最悪の場合、家族間に決裂という結末を招きかねません。
相続・遺言にまつわる不安には次のようなものがあります。
- 遺言の遺し方がわからない。
- 自宅や土地の相続税はどれくらいだろう。
- 子供らのために自分が元気な内にしておけることはないだろうか。
相続・遺言にまつわる分野は専門的であるがゆえに知らぬまま、あるいは手を付けられぬまま放置され、他界した後、遺されたご家族や親しい方々の間で問題になるケースが多いです。
自分の頭がクリアな内にご家族のために対応を考えておく、あるいは準備しておくのが終活となります。
ひとことで終活といってもどこからどう手をつけようか困っておられないでしょうか。
そんなあなたのために、お教えしておきたい気持ちの持ちようがあります。
終活をなかなか始められないあなたに
終活に最初の一歩を踏みだすには、終活を(自分の)人生の終わりのための活動とではなく、
自分がいなくなった後にご家族や親しい方々にご面倒をかけないよう準備・手配をしておくこと
と捉えてみるのはいかがでしょうか。
終活を人生の終わりのための活動と捉えてしまうと気分が滅入ってしまいます。
そんな気分で、自分の人生を見直すための活動でもある終活を行いたくないですよね?
やっておくことが多く手間も時間もかかるため、途中で投げ出してしまいそうになります。
そんなときはいちどに全部をやってしまおうと思わないことです。
たとえば、終活のひとつにエンディングノートの作成があります。
エンディングノートは、どんな情報を遺しておくか整理するのに有効なツールです(法的な効果はありません)。
エンディングノートはいちど書いたら終わりということはありません。
たとえば、一年に一回と定期的な見直しが必要です。終活も同様で、いちどに全部を終わらせてしまえるものではありません。
あなたが生きている限り、増えるものも変わっていくものもあります。変化にあわせて、終活も見直しが必要となります。
犯罪や事故・事件、異常気象や災害で不安のタネはつきず、いつ万が一が起こるか分からない社会です。
万が一に備えるための終活ですが、いつ万が一が起こるか分からない以上、
終活は自分が元気な内に始めたほうが良い。
この考え方に間違いはないのですが、人生はマラソン。
ぜひ身の周りの変化を前提に、楽しみながら長い目で行っていただきたいものです。
まとめ

あなたが終活を検討した際に、終活とはどんなものなのかをまとめました。
ひとことで終活といっても、いちどに一気にやってしまえるものではありませんし、やるべきものでもありません。エンディングノートは定期的な見直しを必要としますし、身辺整理は少しずつ行っていくものです。
長い期間、時間も労力をかけ続けるなんて。そう思って終活を投げ出してしまえば、被害を被るのは遺されたご家族や親しい方々です。
ぜひ終活を残りの余生を楽しみながら行うものと捉えてほしいものです。
「終活」として考えておくこと、行いたいことは多岐にわたります。
この記事では終活として考えておくこと、行いたいことを7つにざっくりと分けてみました。
【終活として行いたいこと7つ】
終活は、遺されたご家族や親しい方々にご迷惑をかけないためものと、わたしは捉えています。
どのように死ぬか、というのは生きることよりも美しく語られてきました。だからといって死に際のみを美しくすることだけが終活の目的ではないと思います。
「飛ぶ鳥、跡を濁さず」という諺は、自分の去った跡を見苦しくないように努めるべきという退きぎわの潔さを表すたとえです。去り際は美しく、というのは日本人に共通するものだと思います。
ぜひ去り際が美しくなるよう終活を楽しんでいただきたいものだと思います。

